拡大選対会議 挨拶
拡大選対会議 地元支援者に向けての決意表明
板橋区立文化会館小ホールにて(令和3年9月27日)
以下、発言の書き起こしです。
衆議院議員として25年間が経ちました。その足跡として、国会の委員会室に、私の肖像画が掲げられることになりました。これは、正に皆様方のお陰です。改めて、感謝と御礼を申し上げたいと思います。皆さん、本当にありがとうございます。
しかし政治家として、本当に私自身が思っている仕事を果たしてきたのか。ここまで、総裁選挙の出馬準備をしてきました。しかし8月30日に、出馬を見送ることになりました。政調会長としての職務に専念せざるを得ない。そういう風に判断したわけですが、同時に力不足でもあるというふうに思っております。
西郷隆盛は、遺訓に「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、始末に困るなり。この始末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業に成し得られぬなり。」という言葉は残しております。
総理大臣を志すなら、自分の命も、名誉も、地位も、金も何もいらない。この国難に自分がどう対処するか。その覚悟が問われています。
平時の政治とは違います。正に今、未曾有の国難の危機です。一つは、コロナです。この一年半で私たちの生活も、意識も、随分変わりました。
コロナ前の社会にはもう戻らない。そういう部分があると思います。
また二つ目には、初めて我が国にとって、人口減少時代。少子・高齢化。それがそのままであれば、これまでの歴史から見るに、国家の衰退につながっていく。日本はもう衰退国家に成り下がって行ってしまっているのではないかという危機感があります。
そして格差社会の拡大。貧しい人が、さらに貧しくなり。それを克服できる社会の仕組み、機能が弱くなっているのではないか。また、人生百年、いきいき健康で過ごせる時代が必要です。しかし、本当に国民の皆さんが健康で、医療も心配なく、年金も心配ない。そのように未来を見通すことができているでしょうか。
私の政治信条は、「人を幸せにする仕事、それが政治だ。」ずっとポスターに使っております。今回も、「人を幸せにする仕事それが政治だ。この思いはゆるがない」です。
私は、改めて皆さんに改めてお約束をします。下村博文 政治家としての覚悟と決意を申し上げたいと思います。
それは、日本の国難に向き合い、しっかり、それを受け止めて、私自身が日本を立て直すという覚悟と、そして決意です。
これだけ医療が進んでいると思われた日本で、いまだに国内ワクチンや治療薬が開発されていない。このままではいけません。
今回の追加経済対策、補正予算の中で、桁違いの予算を投入することによって、来年以降、コロナやパンデミックに対応していく。そういう国内医療体系を充実させることが、責務だと、私は、国の役割だと思います。
来月からは、経済をwithコロナ中で、感染対策をしながら、回していくべきだということで、8月31日に菅総理に直接訴えました。経済を回すためのロードマップを、国民の皆さんに、分かる形で作るべきだと提案し、今、それを政府が作っています。
政調会長の仕事というのは、先ほど申し上げたように、経済対策の骨子をつくることであり、コロナ対策を自民党本部から提案していくことです。
今月29日に新総裁が誕生し、そして10月4日、内閣総理大臣が決まって、10月の21日までが我々、衆議院の任期なので、もう間もなく衆議院は解散なります。
その時に、誰が新総裁なっていても、いきなり自民党の骨格政策ができていることにより、大胆かつ大幅な、国民目線で、補正予算を組むことが可能になります。それを誰が新総裁になっても、すぐ使えるように、私自身がたたき台を作っています。その中から、新総裁が取捨選択をする。
コロナによって、本当に困窮されている方々、やっぱり、たくさんいらっしゃいます。事業もそうです。飲食店だけ、観光関係だけではありません。いろんな業種で、売り上げが減って、なんとかゼロ融資で、生き延びているが、これからが大変です。
雇調金、総額、400万人の方々に、4兆円を使いました。私が政府に対して、再三再四求めてきたことでもあります。
そして、3日後、10月1日より、最低賃金は、東京はこれまでの額から、28円あげて、1041円。全国都道府県によって、最低賃金は違いますが、東京では、1041円になります。最低賃金レベルでいえば、パート・アルバイトで、働いてる方々と、生活保護とほとんど変わらない。年収でいえば200万、250万の層です。それで家族を養うということは難しいことです。
昨年は、1円しか上がりませんでした。コロナ禍だったからです。今年、28円上げるというのは、この10年間では最大です。しかし、企業にとっても大変です。中小零細企業、そういう企業に対しては、最低賃金を上げる賃金分も余力がないというのがあります。
それぞれの企業に対して支援をすることも重要です。それを、今度の追加経済対策と補正予算の中に、しっかりと入れるべきだという風に、提案をしているところであります。
そしてコロナ対応と同時やらなければならないことがたくさんあります。少子高齢化や格差拡大は、民間任せ、自由市場任せではいけません。国内ワクチンや治療薬と同じように、これから国が力を入れて取り組まなければならない分野です。
大きな産業に伸びゆくものが沢山あります。グリーンエネルギー、再生エネルギー。こういう方々がもっとチャレンジをして、そして、そこから大きな産業、ビジネスが育っていくような支援をしっかりとしていく必要があると思います。
デジタル社会もそうです。9月からデジタル庁ができました。役所だけの問題ではありません。一般の企業にとっても、皆さんにとってもこのデジタル化が進むことによって、労働生産性を上げて行く。より効率化を図っていく。便利である、そういう社会を作っていく必要がある。という風に思います。
そしてそれらを支えるのは人づくり、人材づくりです。サイバーテロを含めて、デジタル分野で、必要な人材が200万人といわれていますが、これから10年以内にそれだけの数が必要です。
しかし例えば学校でも、そういうデジタル社会を構築できる、あるいは、サイバーテロに向けた人材というのは10万人もいません。ですからこのままの日本では、人がいない人材が育っていない。そのために日本は世界から、ますます遅れを取ってしまう。ということがあってはならない。
まさに国家戦略でトータル的に、ただ市場任せじゃなくて、国が、日本が生き残っていくために、政府は何をしているかの、それが今問われています。
日本の教育というのは、インプット教育です。言われたことをやれるかもしれない。しかし言われたこと以外のことについて、創意工夫がない。もっと仕事の中で独自の創意工夫をすることによって、生産性を上げる、仕事の仕方を変えていく、そういう考え方が大切です。
それを変えたいという思いから、「啓育立国」という本も書きました。つまり教育というのは、教え育てる。啓育というのは、自らやる気を引き出していく。そういう教育に変えていきましょう。ということです。
一人一人の持っている能力を伸ばす。詰め込みではない。やる気を高めていく、そういう教育にシフトすることによって自分もやれば出来るんだ。チャンス・可能性が自分の未来にあるんだ。と思ってもらえるような、子供達を、是非増やしていきたいと思います。
私の政治の原点。9歳の時に父が交通事故で亡くなったというのが、やはり私の政治の原点です。
もし私が交通遺児でなかったら、おそらく政治を志していなかったと思います。
たまたま、親が亡くなったために、人生の可能性が厳しく、生活水準が低くなってしまう。そういう社会は、政治でしか変えることができない。私は思いました。
私は、皆さんと一緒に、日本を立て直して参ります。一人一人、お年寄りであっても、高齢者であっても、女性であっても、いろんなハンディキャップがあっても関係ない。誰でもが輝き、誰でもが自分も頑張ろう。人生、前向きに努力しよう。これこそが、日本人としての本来持っている魂の部分です。その魂を蘇らせるような、そういう日本の国家の建て直しをしていきたいです。
4月に「GDW興国論」という本を書きました。GDP、経済成長だけの、ものさしではなくて測れないのが現代の課題です。経済成長によって、実際は地球温暖化の問題、資源枯渇の問題・紛争巻き起こしています。もう人類の限界です。
経済成長も必要です。しかし同時に持続可能でなかったら意味がない。SDGs。これは2030年までの目標です。その先はGDW。国民総ウェルビーイング。幸福度。充実度です。
日本ではウェルビーイングは、あまり馴染みがないかもしれませんが、いま世界ではこの言葉が使われています。GDPは世界で日本第3位。しかし一人当たりの幸福度は国連の調査で、54番目です。
こんなに真面目に、一生懸命に、勤勉で、ひたむきな日本人、にもかかわらず、一人一人の幸福度が54番目。
やはり、この社会的に問題がある。私はこの難題に取り組まなければ、この先はないと思います。世界で一番の幸福の国、日本は作れないと思います。一人ひとりが幸せだなと思う、教育って何なのか。一人一人が幸せだなと思う経済とはなんなのか。一人一人が本当に充実している、と思ってもらうような住宅政策や福祉政策とは何か。私はその解答を、準備しています。
それを具体的に、この日本という国の中で、実践をする。実行する。政治家は、学者じゃありません。いかにそれを世の中で、実行するか。それを持って初めて、政治家としての評価が分かれると思います。
今度の選挙も厳しい選挙ですが、しかしそれを乗り越えていかなければなりません。なぜなら、私には自分で覚悟と自覚を持って、この日本を立て直していきたいと考えているからです。
根本から、立て直していきたい。こういう思いがあるからこそ、政治家を続けてきたからです。
一人では作れません。皆さんが一緒になって、なんとかこの国難を。今、生きている私達の時代に
立て直そう。皆さん、どうでしょうか。
このアフターコロナ、withコロナというのは、ある意味では、私達に意識変革を呼び起こしました。普段であればあまり感じないまんま、ゆでガエルのような、そういう日本になったかもしれない中で、コロナによって今のままで本当にいいのか、このまま日本、このままでいいのか。多くの人達が覚醒させるきっかけになったというウィルスだという風に捉えれば日本に、立て直しのチャンスが、今、訪れているといえます。
目の前にあるそれに対して、政治家が取り組まなかったら、何のための国会議員だ。それが問われるし、何のために、下村博文は、今まで政治をやってきたのか。それが問われる。と思います。
是非、今度の衆議院選挙、当選をさせて頂いて、その後、私自身が先頭に立って、この国を立て直す。
それを皆さんとお約束をします。皆さん一緒に頑張りましょう。どうぞどうぞ、よろしくよろしくお願いします。
がんばります。ありがとうございます。