【下村博文政策ブログ②】 「憲法改正について」
日本国憲法が施行されてから80年近くが経過しましたが、その間に一度も改正されていないのは、国際社会から見れば非常に異例なことです。多くの国が時代の変化に応じて憲法改正してきた中で、日本だけがそのままになっています。この状況は、新型コロナウイルスの感染拡大、ウクライナ戦争、そして台湾有事の可能性の高まりなど、グローバルな規模での安全保障の課題が浮かび上がる今、日本にとっても非常に危機的な状況を招いています。
特に注目すべきは、これまでも提案してきた「緊急事態条項」と「憲法9条の改正」です。次に示すのは、2024年4月26日に憲法改正議員連盟から提示された案で、要点は以下のようになります。
緊急事態条項
この条項の導入は、新型コロナウイルスのパンデミック時に明らかになったように、政府が迅速に行動できる法的根拠を確立するためです。具体的には、「国民生活や経済に甚大な影響を及ぼすような国家的緊急事態が発生した場合、内閣は国会の承認を経て緊急事態を宣言し、必要な措置を講じることができる」という内容を含んでいます。これにより、災害対応や病気の流行といった緊急時に、迅速かつ効果的に対応することが可能になります。現在の憲法にはこのような事態を想定した条項が存在しないため、政府の手が縛られてしまうことが明らかになりました。西修氏の調査によると1990年以降の新憲法のすべてに緊急事態条項が含まれており、これは独立国家として当然の権利だと考えられています。
憲法9条の改正
憲法9条の改正により、「国際社会における平和を積極的に推進する一方で、自国を防衛するための措置として、自衛隊の存在を憲法に明記し、必要に応じて国際連合憲章に基づく集団安全保障活動に参加できるようにする」という点が盛り込まれます。これは、ウクライナ戦争をはじめとする国際情勢の不安定化を受け、自国の防衛及び国際平和貢献のために必要な措置です。これにより、日本は真の意味で国際社会における「グローバルパートナー」として機能することができ、集団的自衛権まで議論を踏み込んで進めていくこともできます。
自由民主党での議論
自民党内では、これらの改正について多角的な議論が展開されています。平成24年に初めて憲法改正草案を提案して以来、党内外で様々な意見が交わされ、特に最近の国際情勢の変化は、憲法改正の必要性を一層高めています。党内では、緊急事態条項の具体的な適用条件や、憲法9条の改正後の自衛隊の役割と限界について意見が分かれることもありますが、国としての自立と国民の安全を確保するためには、これらの改正が不可欠であるという共通認識が形成されつつあります。しかし、まだ実現していません。憲法改正せずして自民党のアイデンティティは成り立ちません。私は強い危機感を持っています。
私たちは、福沢諭吉の言葉「一身独立して一国独立する」を常に胸に刻み、国の未来を自らの手で築いていく責任があります。そのためにも、憲法改正に向けて国民一人ひとりが理解を深め、賛同を得ることが今求められています。国民一人ひとりの生活や未来に直接関わる重要な決断であり、日本が真に独立した国としての道を歩むための重要な一歩です。それを成し遂げていきましょう。