衆議院議員 東京第11区 板橋区 自由民主党 下村博文

近況報告

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憲法改正について 憲法26条改正による教育の拡充④「憲法改正への思い」

2019年3月1日
 今回示した案は、自民党のイメージ案になります。維新の会は「教育の無償化」を明記するべきだというところまで議論を持ってきています。これはこれで議論をするべきものだと思っています。あくまで今回自民党が発表したイメージ案は憲法審査会の自由討議で発表するために作ったものです。そのため、この条文イメージ案をそのまま改正原案として提出するということではありません。憲法審査会の中で、自由討議を行ってもらい、各党の意見が出てくればいいと思っています。憲法改正には、国会の3分の2の発議と国民投票の半数の賛成が必要なわけです。つまり、他の法案と違い、国会だけで改正ができるものではありません。ですから、この条文イメージの中で修正が必要であるということであればぜひご意見を頂きたいと思います。

 私はこの憲法26条の加憲について、将来に生きるすべての人が人生に生きがいややりがいを持ってもらうために必要なことだと思っています。憲法は守るべきものではなく、時代の変化に応じて変えるべきところがあれば変えていく必要があるのではないでしょうか。このままの教育の延長線上だけでは次の時代に対応できる人材を育成することは難しいと思います。もちろん、法律の範囲内で対応すべきことは迅速に対応をしていきます。しかし、最高法規としての憲法に、次の時代を見据えた理念、そして国が国民のために全力で教育の拡充と支援を行っていくことを明記することは、すべての人に可能性やチャンスを提供し、誰しもが自分の人生に希望や夢を持つことができるのではないでしょうか。科学技術の進歩発展に対して、ただ受け身としてではなく、それを享受し新たな時代を楽しむということが誰にでもできます。そのために人は自ら学び、自分の人生を切り拓いていくのだと思います。その意志を最大限に国がサポートする。そして日本がそういう国であると誇りを持ってもらえるようにしていきたいと思います。

憲法改正について 憲法26条改正による教育の拡充③「国としてのサポート」

2019年2月20日
 国の取り組みとしては、イギリスが先行して行っていることがあります。2年前にイギリスは社会人の人材育成を目的とした税制制度を導入しました。大企業の場合は労働トータルコストの0.5%を税金として国に納めます。中小企業の場合は徴収されません。徴収した税金は社内研修や社外研修によって人材の育成をしようとする企業を支援するために使われます。社外研修は、専門学校や大学も含まれています。つまり、社会人になっても学びたいという社員に対して、企業がそれを応援するだけではなく、国もそれを応援していくということです。その制度によって、中小企業であれば1割を企業で、9割を国が費用負担することによって、人材の育成が行われています。つまり、学びなおしをすることに対して、国が積極的に後押しをしているのです。

 一方で日本では、22歳までが勉強、65歳までが仕事、その後が引退生活というようにステージが分けられて考えられていると思います。現状の日本では、まだこの3ステージの人生設計が色濃く残っていると思います。しかし、これから10年後には今の仕事の半分はなくなるかもしれません。そうなると、今の仕事だけをしている人の半分は失業するかもしれないのです。その時に焦って政策を打ち出すのではなく、今から常に学ぶことができ、時代の変化にも対応できる人材を育成していくことが求められているのです。

 イギリスやデンマークなどの国では、常に学び、働き、働きながら学ぶということが可能な制度になっていると思います。そのことによって、AIや人工知能が入ってきたときも、それを使いこなせるような人材、そしてそれを活用しながら新たな職を生み出すような人材、起業して新たな価値を生み出す人材、つまり時代に適応できる人材育成ができているということです。これからの日本も今の延長線上の教育ではなく、時代に対応した多様性を認めるような教育が必要であり、そのための憲法改正なのです。

 もちろん学びというのは、企業や国が強制するものではなくて、本人が何を学びたいかということが重要です。しかし、何を学びたいかということが分からない、ただお金を稼ぐために働いているということであっては、次の時代に対応できる人材であることは難しいと思います。ですから、憲法26条に3項を追加することによって、個人の存在の意味を考えてもらいながら、能力の開発やスキルアップを国が支援をしていくということを目指したいと思っています。その環境整備を国がしっかりとやっていくということを憲法に明記することで、より早く実現できるのではないかと考えています。次回、以上のことを踏まえた私の憲法改正に対する思いを述べたいと思います。

憲法改正について 憲法26条改正による教育の拡充②「変わりゆく未来に対して」

2019年2月13日
 イスラエル人のノア・ハラリ氏の著書『ホモ・デウス』の中で、人は今後「ホモ・デウス(神の人)」になっていくとされています。これは「ホモ・サピエンス=人類」「デウス=神」を合せた造語で、神のような人ということになります。しかし、これからは今よりも格差が拡大し、ノア・ハラリ氏の言葉を借りると、「無用者階級」と「有用者階級」に分断をされてしまうとのことです。つまり、ホモ・サピエンスを神にアップグレードした「ホモ・デウス」になれるのは少数の特権エリートであり、AIの進化により大半の人たちは無用者階級になるということです。
 また、同様の予測を未来学者のレイ・カーツワイル氏は「2045年にシンギュラリティーの時代に突入する。そして、働いているのは1割ぐらいの人で、9割の人たちは働かなくていい時代になる。」と予測しています。
同様の研究は日本でも行われています。野村総研がマイケル・オズボーン氏と共同研究を行ったとところ「あと10年たった時に今の職業の49%がなくなる。」との予測が立てられました。つまり、今行っている仕事の半分はAIやロボットに代替をされていくわけです。

 ただし、私たちが生きる次の社会がユートピアのような世界なのか、デストピアのような世界なのかは今からの私たちの選択によるものだと私は思っています。つまり、「無用者階級」「働かなくていい」という言葉をどう捉えるか、私たちは今から考えなければいけません。
日本人は今までは仕事に対して人生の価値を見つけてきました。生きがいややりがいをそこから見出してきたという部分があったと思います。そう考えると、仕事を失った時に人は人生に生きがいややりがいを感じることができるのでしょうか。
 ワークライフバランスや働き方改革によって、個人の仕事と私生活の両立が大切であるという社会の流れになっています。この点は重要な議論であるし、個人の生き方を仕事だけに定義する必要はないと思います。しかし、そもそも働かなくもいい時代が来た時に、人は何に対して価値観を持つのでしょうか。そのことを考えなければいけません。

 つまり、現行の憲法で規定されている教育の範囲やその延長線上で、こうした未来に対応できる人材ができるのかという議論をしていくということです。もっと積極的に国が個人の学びに対してサポートできる部分があるのではないかということを憲法改正という方法で考えていくということです。変化する時代にあった人材育成、進歩する技術を使いこなせる人材の育成を国が前面に押し出していくということです。この先行事例として、次のブログも読んでいただきたいと思います。

憲法改正について 憲法26条改正による教育の拡充①「憲法改正議論を」

2019年2月8日
 1955年に自民党が結党して以来、「自主憲法の制定」が党是のような形で今日まで来ました。その中で、何度か憲法改正案を作って参りましたが、具体的な条文イメージ案としてとりまとめたのは今回が初めてです。この4項目は自民党の条文イメージ案ですが、各党も憲法全体の改正案を作っている途中にあります。今後は憲法議論を国会の中で行えるよう、憲法審査会でも議論をしていく必要があるかと思います。
今回は4項目の中で、憲法26条の教育の拡充について述べたいと思います。党内だけではなく、世論を盛り上げるという意味を含めて、26条の自民党のイメージ案をここでは説明し、なぜ、今教育の拡充なのかということを整理したいと思います。まず現行憲法です。

憲法26条
すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

 ここで示されている内容は、すべての国民は教育を受ける権利があること、また国民の義務として教育を受けさせる義務があることが規定をされています。さらに、義務教育は無償となっています。そして、教育基本法でその期間を9年間と定めているというのが現行制度になります。これを他国と比べてみると、義務教育の範囲を高等学校までと規定している国や、期間を10年間や12年間というように定めている国もあります。日本では現在は高校まで無償化を行っていますので、憲法には規定がありませんが、別の法律によって他国に近い制度を行っていることになります。そういった現状を踏まえて、もう一度自民党の加憲案を見て頂きたいと思います。憲法26条に3項を追加するということです。

 「国は、教育が国民一人一人の人格の完成を目指し、その幸福の追求に欠くことのできないものであり、かつ、国の未来を切り拓く上で極めて重要な役割を担うものであることに鑑み、各個人の経済的理由にかかわらず教育を受ける機会を確保することを含め、教育環境の整備に努めなければならない」

 既知の通り、今国会での大きなテーマ、重要法案として、「幼児教育の無償化」と「必要な子どもに対する高等教育の無償化」が提出をされています。予算は2兆円規模にものぼり、予算としても大きな変化になると思います。こういった法案や予算の配分などは、現在ひろがっている格差の是正という意味でも意義のある取り組みです。貧困家庭の子供でも高校や大学も自らが志と能力を持っていれば進学できるというのは漸進的な取り組みだと思います。
では、なぜ法律の範囲内で可能な教育の拡充を憲法に新たに追加するのかということが疑問としてあると思います。そのことをここから説明をしたいと思います。

下村博文ブログ③「イギリス等の人材育成の取組み」

2019年1月21日
 デービッド・アトキンソン氏の著書『日本人の勝算』で、大変革時代(ターニングポイント)の生存戦略として、従来の制度を根本から考え直してつくる必要があると問題提起している。それは人口が増加するというパラダイムの下につくられて経済システムで、人口減少・高齢化という別次元のパラダイムに対応できるはずがないとの認識があるからだ。
 そのために、まずは所得を継続的に上げる。その結果、生産性が上がる。それには企業の規模を大きくする必要がある。それによって輸出もできるようになる。技術の普及も進む。所得が増えるから税収が増える。株価も上がる。財政が健全化する。要するに、今の悪循環を好循環に変える仕組をつくることだと主張する。
 確かに日本人の労働生産性は低くなっている。かつては世界第3位だったが、2016年の世界銀行のデータによれば、33ヶ国中第29位に下がってしまっている。1990年代に入ってから今までの日本の生産性向上率は世界第126位ときわめて低い。
 今、日本と違って、各国は最低賃金を政策的に引き上げ、高生産性、高所得経済への移行をすでに目指している。
 最も成功している国がデンマークであるが、イギリスもつい最近の2017年からデンマークを参考に職業実習賦課金制度を始めたという。
 この制度の対象は、一定規模以上の企業には、社員の教育訓練のために新たな税金を徴収するが、企業が人材育成に取り組めば、それ以上の負担金を国が出す仕組みだ。また一定規模以下の企業でも、人材育成に新たに取り組めば、企業のコスト1割負担に対し、残り9割は国が出すという。
 つまり国をあげて人材育成に取組むということだ。教育は子供だけでなく、全ての大人も対象とする。高齢化が進み、また少子化の時代に突入している中で一人ひとりの生産性向上を実現するためには、本格的な人材育成トレーニング制度が必要であり、何度でも社員を再教育して、技術革新の普及率向上を支えるべきと、アトキンソンさんは提言している。
 教育は、生産性向上のスキルを磨くためだけにあるわけではないが、各国が国をあげて教育訓練に取組んでいることは事実であり、我国も充分参考にしながら政策作りをしていく必要がある。

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