あしなが育英会創設者の玉井義臣さんに対し、あらためて心からの感謝と敬意
『週刊新潮』の「墓碑銘」で紹介された、あしなが育英会創設者の玉井義臣さんに対し、交通育英会第一期生の一人として、あらためて心からの感謝と敬意を申し上げます。私が玉井さんと出会ったのは、人生の進路が閉ざされかけていた中学校時代でした。9歳の時に父を交通事故で亡くし、進学を目指すことは大きな壁でした。どれほど努力しても、経済的な現実には抗えない。そう思い知らされたとき、手を差し伸べてくださったのが玉井さんでした。
玉井さんは、単なる経済的支援者ではありませんでした。私たち遺児一人ひとりと真正面から向き合い、「教育を受ける機会さえあれば、どんなに貧しくても人は未来を切り拓ける」という信念のもと、玉井さんは私を含め数えきれないほどの子どもたちの背中を押し続けてこられました。
その姿勢は、単なる福祉活動を超えたものでした。困難な状況にある若者たちが、自らの可能性を信じ、自立して社会に貢献できる人間へと成長していく。その希望を、玉井さんは一人ひとりに託しておられました。私自身、玉井さんの支えがあったからこそ進学の道を歩むことができ、やがて教育の現場に立ち、そして政治の道を志すことにもつながりました。玉井さんの存在が、私の人生の土台を築いたのです。
あしなが運動を通じて玉井さんが遺されたものは、物質的な支援以上に、「人を信じ、人を育てる」という力強い哲学でした。その精神は今も多くの人々に受け継がれ、全国のあしなが学生募金や、国境を越えてアフリカ遺児を支援する活動にまで広がっています。
玉井さんの生き方と言葉の一つひとつが、今も私の中に強く残っています。そして、その志を未来へつなぐことこそ、支えられた私たちが果たすべき責任だと感じています。
誰もが夢をあきらめずにすむ社会をつくること、困難にある子どもたちに「あなたには未来がある」と伝え続けること。それが、玉井さんの想いを引き継ぎ、実践していく私たちの使命です。玉井義臣さん、本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします。



